俺は、手に持ったパンフレットに目を落とす。 「……それ、どうするの?」 「んー、ああは言ったけど、俺、やっぱ、北山学園大に進むよ。 留学なんて、全く考えてなかったし、行きたいとも思わないし」 「ふぅん」 うなずきながらも、お袋は、なにか思案している表情。 「ねぇ、大輔」 「ん?」 「アメリカなら、どう?」 「は? アメリカ?」 「うん」 「どういうこと?」