勇真があわてて手を引っ込めると、菊地は勇真を冷めた目で見下ろす。 「勇真、奈良坂に半殺しにされたくなかったら、栞に手を出すのはやめなさいね」 「アハハ、手を出すなんて、まさか~!」 勇真は乾いた笑い声をあげて、顔を引きつらせている。 しょうがねぇ、ここは菊地に免じて、許してやるか。 俺は再び席についた。 菊地は、栞に話しかけている。 「栞、コイツのこと、知ってる? あっちこっちの女子に声かけて歩いてるから、一部では有名なヤツなんだけど」