綾音と礼奈は、すっかりあきれ顔。 「あのねー、栞と奈良坂が付き合ってることなんて、もう全校生徒が知ってるわよ?」 「そうそう! ねー、王子、自分がどれだけ有名人か、わかってる?」 そう言われても、大輔くんは「フン」と無視。 ふたりとも、もう相手にしてもしかたない、というように首を振りながら、自分の席に行ってしまった。 「わかってねぇやつらだ。 なぁ、栞?」 「えっ?」 後ろから顔をのぞきこまれ、あいまいに笑う。