「えー、ちょっと、綾音、今のひどくなーい? まぁ、いいけどさ。 でも、綾音だって、王子がこんなに栞にベッタリになるとは思ってなかったでしょう?」 「んー、それは、まぁね。 ここまで独占欲が強いとはね」 「だよねー!」 礼奈と綾音にそんな風に言われても、大輔くんは、どこ吹く風って感じ。 さっき、私がはずした両腕を、また後ろから首に巻きつけてきた。 「俺のもんだって主張して何が悪い。 栞に悪い虫が寄ってこないようにしてるだけだろ?」 いや、そんな心配はまったく必要ないと思うけど。