おいしい食事を終えての、帰り道。 電車で、並んでつり革につかまっていると、大輔くんが聞いてきた。 「あのさ、栞。 今夜、もう少し遅くなっても平気?」 時刻は8時過ぎ。 「今日はもともと、管弦楽部の打ち上げがあるってお母さんに言ってあるから、あと1時間くらいなら平気だけど」 そう答えると、大輔くんは顔を寄せてきた。 「今夜さ、お袋が出張でいないんだけど、ちょっとだけ、うちに寄ってかない? 帰りはもちろん送るから」