『サンキュ』と口の形だけで菊地に伝え、俺は栞の荷物を持った。 隣に立つ村上先輩を見ると、俺と栞の内緒話は聞こえていたようで、がっくりと肩を落としている。 まぁ、意図的に、聞こえる程度の音量で話してたんだけどさ。 どうやら、致命的なダメージを与えることに成功したらしい。 フン、残念だったな、先輩。 もう栞に手ぇ出してくんなよ! 俺は、栞の肩を抱いて、意気揚々と控え室をあとにした。