バサッ! 「うわっ!」 あ、ヤベェ。 かすめるつもりが、もろにヒットしちまった。 ま、いいか。 そっちは無視して、満面の笑みを浮かべ、栞の手に花束を渡す。 「栞、おめでとう。 すごくいいコンサートだった」 「わっ、すごい! これを私に? ありがとう!」 栞は感激の面持ちで、花束を見つめている。