俺はまっすぐ、栞の元へ歩いていく。 あ、気がついた。 栞が俺を見つけて、目を丸くしている。 そんな顔もかわいい。 ここに来ることは内緒だったから、驚いているんだろう。 にっこり微笑んで、俺は栞の正面に立った。 隣にいた村上先輩が、嫌そうに俺を見ているのがわかる。 フン、栞の隣は俺の場所なんだよ! 俺はわざと、村上先輩の顔をかすめるように、背後に隠していた花束を前に持ってきた。