少し経って、考えるのを止めた。今、考えても答えは出ない。答えを出すには材料が足りなすぎる。しかし、一体なんだって言うんだ。コリスという彼女の叔父さんは何者なんだ。
 だが、一つ僕がわかったのは、カリカ(仮名)は気狂いではないという事だ。狂っている人間は、目でわかる。それに僕は、気が狂った女に魅力を感じはしない。それは間違いない。多分。
しかし、その方が僕には不都合だ。

 僕は果たして何をどうすればその「僕の問題」を「いい方向」に進める事ができるのだろう。その前に「僕の問題」ってなんだ。それはこれから起こる事なのだろうか。恐らく、そうだろう。それならば、その問題が起こるまで、待つしかない。
 朝起きてから、それ程時間が経っていないが、ベッドに横になって眠りたい気分だ。どうせ、あっちから降りかかってくるのなら、寝てしまっても問題ないだろう。と思い、ベッドに横になり、目を閉じた。
 しかし、5分も経たずにドアをノックする音が聞こえた。それはカリカが来た時より確実に大きな音だった。もう一段階強く叩いたらドアは壊れてしまうだろう。
 とても不吉な音に聞こえた。
 気の荒い郵便配達人であって欲しい。しかし、そんな郵便配達人はいないかもしれない。あの音の発生源が誰にしろ、僕にはベッドで寝ている暇も資格もないらしい。なにしろ、コリス氏によれば、これは「僕の問題」であり「時間はそれ程、恐らく一日しかない」のだら。