「ただいまー」
家の扉を開け、靴を脱いでいると
おかえりー、とリビングから母さんの声が聞こえてきた。
母さん飯ーとリビングに向かって叫び、着替えるべく二階の自分の部屋へと向かう。
「ふー」
鞄をベッドの上に放り投げタンスに手をかける。
タンスの中から引っ張り出した服は、バスケットパンツとTシャツ。
制服を脱いでそれを着た後、ベッドの上に無造作に脱ぎ散らかしてあったジャージを着た。
ダッシュで階段を降りてリビングの扉を開けると、
平日の昼放送されている某人気テレビ番組をソファに座って見ている母さんがいた。
「母さん飯は?」
「カップラーメンがあるわよ」
テレビから目を離さない母さんは俺のかなり嫌そうな顔に気づかなかった。
カップラーメンだけで足りるわけねぇし…
そう心の中でぶつぶつ文句を言いながら台所に向かうと
カップラーメンの横には1つの菓子パン。
カップラーメン以外もあるじゃん!
俺は菓子パンに手を伸ばし袋を開け、それを口に加えながらカップラーメンにお湯を注いだ。
