「あれ?どうしたの?」


「もしかして迷子?」




中から出てきたいかにも遊んでそうな男二人に声をかけられた。




……面倒臭いな。




奏は基本、女・子供には弱い。


ということは指標があるわけで。


男には普通かとことん冷たい。


かといって、無視だけはしてやるなと自分達も経験のある三馬鹿に泣きつかれたことがある。


まったくもって面倒極まりないが、これで奏には必要最低限の返事をするという選択肢しか残されなかった。




「何でもありません。お疲れ様でした。さようなら」




相手が聞き取ることができるであろう最速のスピードで言い終える。


そして今だに誰かを探しているあづさの腕を引っ張り、中に入った。


残された男二人はあまりの素早さにポカンとしていた。