鷹は近藤達から目をそらし、口を開いた。
「ミエは昔、禁忌を犯した。そのせいで、多くの妖が死んだ。そして、ミエ自身にも呪いのようなものがかけられたんだ」
「呪い?」
「解けねぇのか?」
鷹は首を左右に振った。
軽く鼻で笑い、片手を開いて近藤達の前に出した。
「五千年だ。五千年もの間、それが解かれることはなかった」
「ご、五千年…」
「そんなに長く……」
鷹の言葉に、みんなは言葉をうまく紡げなかった。
その長さは、自分達にしてみれば途方もないものだったのだ。
「かけたのは、キリル・ド・ローゼンクロイツ」
「は!!?」
「おいおい、嘘だろ?」
「それじゃあ…」
「ミエの、実の兄だ」
こんなことがあっていいのだろうか。
奏は兄と慕った男に両親を見殺しにされ、里は崩壊。
その主であるミエもまた、兄に五千年という途方もない間呪いをかけられている。
内容以外で違う点と言えば、実の兄かそうでないかだけだろう。
ただ、どちらにも共通していることが一つ。
己が信じていた者に、裏切られた。
二人の心には、同じ傷があるのだろう。



