「奏は私のだったのに、人間に取られるし、本物の兄は出てくるし。もう、なんだってのよ」
「でも、奏君は君のことを慕っているぞ?」
「あなた達か私か、奏は迷うことなくあなた達を選んだわ?」
近藤の慰めの一言は、ミエに更に火をつけるだけだった。
「本当に預ける所を間違ったわ。ううん。人間なんかに預けたのがそもそも間違いだったのよ。人間は私の大切な者、みんな奪っていったもの!!」
「ミエ、もうやめろ」
「っ!!!!!」
エリオルがミエの肩に手を乗せて止めようとしたら、ミエはビクリと肩を震わせた。
そのままバッと手を振り落とした。
エリオルはしばらく振り払われた手を見つめ、ミエに視線を戻した。
「ミエ、お前……原田さん、島田さん。ミエの両腕を押さえつけておいてください」
「お、おう」
「こ、こうですか?」
「ちょっ!!!離しなさいよっ!!離しなさいってばっ!!」
必死に手足をばたつかせるが、背の高い原田に、力の強い島田に抵抗はむなしく終わった。



