「澪ちゃん、ちょっと向こうに行きましょうか。ほら、秋津も」
「…………うん」
「ちょっ!!襟引っ張らんといて!!」
都槻がその場の空気を察して、澪ちゃんと秋津をその場から引き離した。
奏の目が揺れている。
付き合いの長い彼には、微かに揺れているとしても気づいただろう。
足早に去っていった。
それ以上聞きたくない、言って欲しくない。
お願いですから………
「もう守役はエリオル一人で十分だから、奏は自分の幸せを掴みなさい?」
聞きたく……なかった。
「ミ、エ……様」
「この二人も可哀想なくらい待ってるんだし。私も色んな人に怒られちゃったし。守役離れしろーって。嫌になっちゃうわよね?」
ミエはトンットンッと地面を軽やかに跳ね始めた。
下ろしてある髪のせいで、表情までは分からない。
だが、声音は変わっていなかった。



