「まっ。鈴君が来て、彼女と相思相愛だってことが分かれば、奏の関心もあの二人に向くでしょ」
「やけにあの者達の援護をするんだな」
セレイルは意外だと言わんばかりに驚いていた。
レオンはすっと目を伏せ、カップの中をじっと見た。
「あの二人を見てると、僕を見てるようで苛々するんだ。彼らは報われる恋であるかもしれないのに。僕とは違ってね」
「レオン……」
珍しく自分の弱みをさらけだしたレオンに、永倉達は二の句をつげない。
レオンも分かってはいるのだ。
ミエとエリオルの間に入る隙がないことを。
されど如何せん、抱いた恋情は消し去りがたかった。
「自分の恋を叶えようと頑張ってなかったら、放っておくけど、あの二人は頑張りすぎる程頑張ってるからね。悪いのは奏の方だし。………暇潰しくらいにはなるかなって」
最後にいつものレオンらしい言葉が出てきて、みんなはほっとした。
ほっとしたというのも可笑しいが、レオンがこうだと調子が狂うのだ。



