「ほい、座って座って」
うぅ、と珍しく奏の言うことに抵抗を見せている響。
だが、そうこうしている間にも、奏の手はささっと動いていた。
「…あの二人には感謝して欲しいね」
「鈴と響か?」
「鈴はともかく、響は嫌がってるみてぇだけど」
レオンが忍びやかにもらした独り言めいたものに、永倉と藤堂が反応した。
だが、レオンはクスリと笑い、もう何杯目か分からない紅茶に手をつけた。
ちなみに今度のはジャスミンティーだ。
「沖田君と珠樹君だよ。あの二人も報われないねぇ」
「確かに」
「あんなに分かりやすくアピールしてんのにな?」
「あいつら、ちゃんと伝えたのか?」
「えぇー。言っただろ」
レオンから発せられた同情の渦に、みんなは簡単にのまれることができた。
鈍感にしても程がある。
見ているこっちがイライラしてくるのだ。



