「おい。……鈴、かなりブチギレてたな?」
「俺達、殺られるんじゃね?」
「落ち着け。俺達は何もしていない。そう何もしていない」
そういう永倉も、自己暗示をかけていた。
レオンはその様子を実に楽しそうに見ていた。
「今度の暇潰しは気に入ったようだな」
「うん。あぁ、恨み言なら奏に言ってね?暇にさせるのが悪いんだから」
なんちゅう責任転嫁ぶり。
そしてその笑顔の眩しいこと眩しいこと。
レオンが何を言っているかまでは聞こえない野次馬達は、ただその笑顔だけを見て新たな黄色い悲鳴を上げていた。
「響、次、響の番だよ」
「奏ぇ。お願いしますっ!!着替えさせてください!!」
「だぁめ。鈴にくれてやるつもりはないから安心して」
そういう問題ではなくて。
だが、奏もレオンと同じ黒い笑みを浮かべていた。
鈴め。
ふざけんなよ?
私の可愛い可愛い響をくれてなるものか。
でも、響を可愛くするのは別問題。
どこまでも我が道を行く点では、奏とレオンに大差はなかった。



