「ほら、早く早く!!レオン様を待たせてるんだから」
他はいいのかと思わないでもないが、奏が恐れているのはただ一人。
レオンだけだ。
「わっ!!!」
「ちょっ!!」
二人は試着室に押し込まれ、カーテンをばさりと閉じられた。
これは厄介なことになってきたと二人が気づいたのは、最早遅く、この時だった。
「………奏。終わりました」
「だけど恥ずかし…」
二人がほぼ同時に試着室から出てきた途端、店の中の視線が一気に三人にそそがれた。
「似合う、似合う!!よし、これ履いて。さっ、行こう」
先程買った靴を取出し、二人の前に出した。
もう観念した二人は、黙って言うことに従った。
それまで待っていた奏をちらちらと見ていた視線は、もはや隠されることはない。
三人は、いや奏だけは視線を気にすることなく二人を引っ張ってカフェへと戻っていった。
もちろん、頭にきているから周りが見えないのだ。



