「奏、待って下さい」
「奏?」
響とあづさは何とか奏のスピードについていった。
奏は化粧品店につくと、二人を色々な角度から見た。
おそらく、二人をどんな風にするかイメージを膨らませているのだろう。
「………よし、決まった!!」
奏はカゴに次から次へと入れ始めた。
こんなことになるなんて思ってなかったけど、パーティー用に化粧品がどんなのがあるか勉強しといてよかった。
レジで代金を支払い、今度は靴屋に向かった。
目当てのものを見つけ、即決。
後は服のみとなった。
だが、奏の頭の中にはイメージが既にできているため、迷うことなく決まった。
「すみません。これ、着て帰りたいんですが」
「で、ではあちらの試着室をお使いください!!」
「ありがとう」
「い、いえ!!」
奏にニコリと微笑まれ、店員は顔を赤らめた。
彼は知らない。
自分が珠樹や沖田、果てはミエに恐ろしい目に合わされずにすんだ貴重な人間であることを。



