「奏、何買うつもりなんだ?」




隣にきた原田がカバンを肩の所で持ち、ふと尋ねてきた。


その格好は様になっており、通りすがりの女子生徒は釘づけだ。




左之さん、相変わらずモテてんね。


新八さんが羨ましそうに見てんよ?




「そうですねぇ。行ってみなきゃ分かりませんけど……常識を守ったもので」


『は?』




誕生日プレゼントの判断基準で、常識を守らなければならないというのは当たり前のことではないのか。


いや、間違いなくそうである。


わざわざ口に出して言うことでもない。


故に、以前何かあったな、とみんなが想像しうるだけのものはあった。




「何で常識なんだ?」




藤堂がみんなの疑問を代表して聞いた。


たぶん、ろくでもない答えが返ってくるのだろう。


だが、人は好奇心の塊。


聞かずにはいられなかった。