「あなたがここにいると、近所に多大な迷惑がかかる。かといって何の跡もつけないと、蠱毒の妖達がさらに暴走する」
「そや、そや」
「ねぇ、ここってどこ?」
「島根だ」
「島根……出雲?」
「あぁ」
奏はそう、とだけ頷き、黙り込んだ。
顎に手をあて、何事かを考え込んでいる。
「十月でなくて良かったわ」
「何で?」
「出雲大社に八百万の神々が集まりなさるの。それが十月。神々のおわす前に蠱毒なんてものお見せできないもの」
「へぇ〜」
「か〜な〜で!!」
その時、奏の背に覆いかぶさってきた者がいた。
奏は背をバッと振り向いた。
「ミエ様っ!!」
「奏っ!!久しぶりねっ!!……あなた達も」
随分と温度差のある歓迎だ。
というより、相変わらず敵視されているようだ。
「奏、これは一体どういうことかな?」
「君達だけずるいなぁ。楽しそうじゃないか」
「………始末書の書類の束を後で取りにこい」
元老院三大魔王も降臨召された。
最悪だ。



