失恋オブリガード





身に起きた現実を受け入れられぬまま、重たい足取りで戻ったアパート。




「おかえり」と笑ってくれてた君がいなくて固まった。




寝室もキッチンもお風呂もトイレも…どこを探しても、愛しい彼の姿はない。





少し物の減ったリビングに立ち竦み、震える両手を強く握った。




龍平がいない、もういない。




テーブルの上には、ラップのかかったオムライス。



それは私の好物で





きっと彼は私を泣かせる確信犯だ、と思った。






「……手紙…?」






ふと、美味しそうなオムライスの傍に畳まれたルーズリーフに気付き、それを広げる。




並んでいたのは、愛しい人の綺麗な文字。