案外、早く用事は済んだ。 "ばいばい" なんて短くて簡単なんだろう。 さっきだってほら。 一瞬で言っちゃったよ。 だけど君は、あたしがその簡単な一言を言うために、どれだけ泣いて叫んだか知ることは無いんだろうね。 あたしがその一言を、苦しくて重い言葉だと思っていることも。 今、こんなにも涙が止まらないことも。 だけどね。 君を想っている間は 好きでいた間は 触れられてる間は 確かに世界で一番、幸せだったよ。 だから後悔は、してません。 ねぇ、涼太。 あたしは、イイオンナでしたか?