「…会いたくなかったのにぃ………」





溢れる涙は止まることを知らない。


胸の痛みも、きっとこの先治らない。




君がチクチク蜂のように刺し続けて





挙げ句の果てに腫れ上がった私の心は死んじゃうんだ。





だから言わなくちゃいけない





"さよなら"






その一言。







絶対言いたくなかった言葉。


そして、絶対言われたくなかった言葉。






だけど、今はそれを言って欲しくて仕方がない。







何でだか教えてあげようか。








言えないんだよ、自分からは。







怒ってるのに、憎いのに。

本当に会いたくなかったのに、本当に二度と会いたくなかったのに、君にたった4文字のそれが言えない。





やめてよ、私を解放してよ。

私の意思を返してよ。

君を最低だとバッサリ斬れる意思を返してよ。







嫌いになりたい

大っ嫌いになりたい




私の名前を呼ぶ顔も声も。








「…会いたくなかったのに………!」







胸が痛い、死にそうなほど。





この痛み、持って帰ってよ。






この胸の痛みも




君を嫌いになれないこの心


君を好きなままのこの心も






止まらない涙も忘れられない君の記憶も





耳に残った君の声も唇に残る感触も






全部全部「さよなら」と言って持って帰ってよ。









私は君を好きすぎて出来ないんだから。







惨めな私の最後のお願い













4つだけ文字を並べてよ。