「…………なに、これ…」 ポリバケツの中に、紙屑やらビールの缶に紛れてキレイな青色の小さな紙袋がひとつ。 砂漠に咲く一輪の花のような、天からたまたまここに運悪く落ちちゃったんじゃないかと思うような……。とりあえず場違いなそれを、手に取ってみる。 袋の中には、人生のうち何度かは目にしたことのある、布地で丸みを帯びた小さな小箱。 足が、少し震えた。 手にしていたビニール袋を無意識に落とし、ゆっくりと、その小箱を開ける。 「…………………っ」 言葉が出なかった。 ただ、眩しかった。