好きな人は、






足の踏み場も無いほど床に散らばった資料やパンフレット。



あちこちにスーツやワイシャツが脱ぎ捨てられ、洗濯物も溜まりっぱなし。




机の上には、おそらくパソコンが置いてあったと思われる僅かなスペースを残して、カップ麺やコンビニ弁当のゴミが積もっている。









キッチンとベッドの上だけは、キレイなままだ。










「……あーあ…」





スーツシワになっちゃってるし。


この資料踏んじゃっても大丈夫かな……





てゆーかゴミくらい捨てなよ、もー……






家から持ってきた彼の私物を僅かなスペースに置き、なんとなく、反射的に散らばった資料やら書類を集めて、束ねる。




あたしには訳の分からないグラフや名簿。



山ほどあるそれらは、机に積むと不安定に揺れた。





続けてスーツをハンガーにかけ、ワイシャツや靴下を洗濯機に持ち寄りスイッチを押す。





……あーあ、あたし何やってるんだろ。





まあ昨日あんな言い方しか出来なかったし、このくらい………



いや、でも未練があるって勘違いされたらどうしよう。


いや、まだ確かに勘違いとは言い切れないんだけど。