好きな人は、







「じゃあ、また明日ね。」

「うん、おやすみー。」




学校から徒歩20分。
家の門の前で別れ、あたしの隣の家に潤くんは入っていく。

玄関の扉が閉まる直前まで、彼は笑顔をこっちに向けていた。



そして、パタンと扉が閉まった直後。




あたしはバタバタと階段を駆け上がり、自分の部屋のベッドにダイブした。


枕に顔を埋めるのと同時に、勝手にバタバタと動く足。




……やばい、顔がにやける。





だって、二人きりで会話するのなんて何ヵ月ぶりだろう。

始業式の後偶然出会って一緒に帰ったのが最後だから……2週間前か。なんだ、意外と最近だな。



それでも嬉しい、幸せすぎる。



頭に浮かぶのは、「一緒に帰ろ」とほほえみ、仔犬のような目で勉強を教えてくれる潤くん。


この映像だけで、一ヶ月は頑張れそうです。