「えぇ~!?さくら,あの子の名前も知らないの?」
「うん。そんなことはどうでもいいじゃん。」

親友のあみなの反応が,大袈裟。学年違うんだからしょうがなくない?リサーチとかしちゃったらなんか・・・バレちゃいそうだし,恥ずかしいじゃん。“好きなの丸出し”って。

「あほか。あんたがあのコ好きになったのいつ?もう3ヶ月は経ってるでしょ。春から夏にかけて・・・進展なし?ばっかみたい。そんなんじゃ一生見てくれないよ。アピールしなきゃ。」
「ヒドイ。いきなりそこまで言う??誰に聞くって言うの,恥ずかしくてムリだよ。」

だから今までの3ヶ月進展なしなんだよ。見てるだけで良いと思ってるんだよ,ちょっと惨めだけど。

「あのねぇ・・・恋って言うのはね,ようは自分が幸せになるためにしてるもんなの。名前も知らないなんて笑いもんね。」

そう言ってあみなは鼻で笑う。

「あみな・・・あんたあのコと塾一緒よねぇ?」

良い事思いついた!そんなに名前を聞いて欲しいいんなら・・・この手しかないかも。

「え?そうだけど?」
「聞いてきてよ,名前。」
「は?」
「あみなが言ったんじゃん。名前ぐらい知っとけって。」
「自分で聞きなさいよ!」
「あたしたち,親友でしょ?」
「・・・あぁうぜぇ。」
「なんか言った?」
「別に。」
「じゃぁよろしく。」