「え・・・?あたし達今3年生?」
「なーにボケてんの。頭良い人は良いわね。さくらならどこでも行けるしね。」
「そんなことないよ・・・。」
「そんなことあるでしょ。学年トップさん。」
「え,ちょっと・・・」
「さ,帰ろ帰ろ。」
 
あみな・・・待って。話はまだ終わってないのに。

「・・・あみな!!」
「何?」
「・・・先行っといて。」
「OK。早くしてね。」

あみなはさっさと教室を出て行ってしまった。

「うん・・・」

 あみなはああ言ったけど,そんなことない。
 
 あたし3年なってから,ずっと桜くんのことしか考えてなかったわけじゃない。
 受験生って,嫌な響き。今まで忘れようとしてたのに・・・まだ中学生なんだから恋だけしてたかった。
 勉強できたって,今のあたしには全然良いことない。
 今そんなことしてたって,あたしにとっては・・・桜くんへの気持ちから遠ざかってるだけ。
 受験って勉強っていつでも不安。
 ・・・恋も同じ。
 自信なんてないし,上手く行ってもないんだ・・・

 ダメだ。今は『思い込み療法』なんて使えっこない。
 あたしの恋,どうなるんだろ。