「んだよ」

つい反抗的な口調になってしまうのは仕方ない。
…まぁ、もともと口は悪い方だけど。


「いいからこっち来て」

いつまでも意地を張ってるわけにもいかず、俺は素直に高野が座っているイスの前まで移動した。
必然的に俺が高野を見下ろすようになる。
いつも見下ろされてるから、何か変な感じ。
でもちょっと優越感。

が、その優越感も長くは続かなかった。


いきなり体を反転させられ、そのまま高野に引っ張られて俺は後ろに座りこんでしまった。
つまり、俺は今高野の膝の上で後ろから抱き締められているわけで…。



「てめぇ離せっ!」


中山先生も小山先生も授業があって今はいないけど、いつ誰が来るかわからない所でこんなこと。