記憶 ―流星の刻印―



昨夜…、
太磨を問いただした。

本当に問いただしたかったのは第一に母さん、次にババ様、その次に蓮。
でも居ないんだから仕方ない。

私の怒りの矛先は、ここに居る同郷の太磨に向いた。


「――どうゆう事よっ!!?」

「……そう怒ってばかりだと、折角の美人の顔にシワが出来ますよ?我が姫…」

「――ふざけないで。…事が事じゃない。なるべく怒らない様にするから、ちゃんと話して。……ちゃんとよ?」

私の落ち着いた切り返しに太磨も観念したのか、何時にない真剣な表情で話し始めた。


私は、妖術師だった。

生まれながらに妖術師だった事は、出産に立ち合ったババ様には分かっていたそうよ。

でも母さんの願いは、
「普通の生活をさせてやりたい」という事だった。


妖術師である以上、
本来は国に申請登録しなくてはならない。

「妖術師」というレッテルが貼られ、その妖術を正しく使う教育を長年に渡って受ける。

普通の生活からは離れ、
村人からは一歩二歩距離を取られ、好奇の目で見られ…、
それに負けない、むしろ跳ね返す位の精神力を持たなくては上手くは暮らしてゆけない。

それを聞いて、
花梨さんの性格を思い出していた。