記憶 ―流星の刻印―



太磨が苦手とする花梨さん。

「色々気を付けろ」の意味を、私は理解した気がするわ。

これは確かに休息が必要だったのだと、先程までの無駄な時間を肯定した。


書類を眺めながら席に着いた花梨さんに、私はやっと質問出来たわ。


「…花梨さんは、私の母さんを知っているのね?仲が良かったの?」

「…ん~?ん~、そうねぇ?私もね~…揚羽ちゃんと太磨ちゃんと同じ村の出身だから~…」

「…えっ?そうなの?」

花梨さんは同時に2つの事が出来ないタイプの人間の様で、書類の内容の方に気持ちが向いていた。

代わりに太磨が話してくれる。


「花梨は、元々はあの村で龍の巫女様の部下だった。俺の先輩にあたる…。聞いた事あるだろ?村最強の女戦士の話。」

「……あぁっ、えっ…?あれって、花梨さんの事なの!?」

村最強の女戦士。
男性が多い自衛団の中で、その中でも歴代最強という女性。
よく母さんに聞かされていた。
強い女になりなさい、って。


「…国の役人に引き抜かれたって聞いた事あるけど…」

失礼ながら、もっと前線で活躍している人かと…。


「若作りしてるけど老いたからな?今はこの通り、事務作業員なんだろ。老いたからな?」