記憶 ―流星の刻印―



「……ふ、…ははは…」

「――なっ…!!」

次の瞬間、
太磨は大声で笑い出した。

どこに笑う要素があったっていうのよ。
本当に失礼な男だわ。


「…ははっ、悪いね。どうやら、俺が思ってた程お嬢さんは馬鹿ではないようだ…」

太磨は顔をクシャクシャにして、私を見上げて笑っていた。


「――…はぁ!?」

何だか人格変わってない!?
悪いね…?俺…?


「…世間知らずの無知な我が儘なお嬢さんと聞いていたからね、どうせ甘やかされて育ったんだろうと…」

「――…はぁっ!?」

どうゆう前情報をババ様に吹き込まれてるのよっ!
別に甘やかされた記憶は、

……そんなには、無いわよ。


「…我が姫と。そう機嫌をとって子守りしようと思っていたのは事実。しかし、どうやら嫌味も通じるし、そこまで子供でもないらしい…」

「……喧嘩売ってるなら買うわよ!?一体何なのよ!?」

まぁまぁ…と、
太磨はやはり人を小馬鹿にした態度で私をなだめた。


「…俺は龍の巫女様の命令は遂行する。お嬢さんの旅から離れる気はない。危なくて放っておけないからね?」

「余計なお世話よ!」

そう突っぱねた私の手を取り、無理矢理にその場に座らせた。