記憶 ―流星の刻印―



「…あぁ、邪魔するよ…」

不気味な笑いを浮かべて、ババ様はゆっくりと歩を進めると、食卓の椅子に腰掛けた。


「…………。」

ババ様の視線の先は、
虎白の隠れた部屋の扉。

私は内心ハラハラしながら、それを遮る様にババ様の目の前の椅子に座った。

保護者代わりの蓮は私の隣に着き、美玲さんは台所でお茶の準備をしている。


「――どうしたの、ババ様?私、今日は村で問題を起こしていないはずよね?お説教される事は無いわよ?」

「…おや…そうかい?」

「……そうよ?」

以前の話をすれば、
ババ様が招いた来賓に粗相をしてお説教をされた事も度々あったわ。
その来賓があまりに失礼だったからで、私は悪くないけど。

お説教の時もババ様の家に呼び出されたし、わざわざババ様の方から足を運ぶ事は少ない。


――…怖いわ。

何かしら、この威圧感。
全部バレてるんじゃないかしら、と蓮に加えて私さえも汗をかき始めたわ。

それは、当たり。

ババ様は全部気付いていた。