にゃあ!
「――ほら、見なさいよ!気に入ったって!この子を殺そうとした冷血な蓮には関係ない事だわ!ふん!!」
ひょい…と、
私に抱き上げられた虎白は、すりすりと私の胸に頭を寄せる。
ゴロゴロと喉を鳴らす愛くるしい様に、怒りさえも一瞬で緩和されるから大したもんだわ。
「見てよ!可愛い!この子を殺そうとなんて、よく出来たわねっ!?」
蓮から返ってくるのは、人を小馬鹿にしたような軽い笑い声。
「はは、そんなのご飯が欲しくて愛想振りまいてるだけだよ。揚羽に懐いてる訳じゃないだろ。」
「――んまぁ!何ですって!」
ついつい虎白を抱く腕に力が入って、腕の中で白い体が暴れている。
今にも喧嘩になりそうな私たちの会話に、仲裁に入ったのは美玲さんだった。
「…まぁまぁ、揚羽ちゃん。蓮ったら面白くないのよ。ついこの間まで『蓮兄ちゃん』って慕ってくっ付いてきてた揚羽ちゃんが、虎白ちゃんに盗られちゃったもんだから。」
「………あら。」
ヤキモチね?
蓮はキッと美玲さんを睨み付け、美玲さんは「うふふ」と首を傾げて笑っている。

