記憶 ―流星の刻印―



「……おかしいじゃない…」

泣き出してしまいそうで…、
震える肩に、力を込める。

左肩に自分の爪が食い込んだ。


「……うん、ごめんね?意地悪で隠してた訳じゃない事は、貴女も分かってるわよね…?」

爪を立てた私の手を、
優しく包み込む花梨さんの手。

私は頷きながら、
涙が一筋、零れた…。



「…龍湖の里。龍の巫女様が、龍神を護る…隠れ里。本当に護っていたのは、貴女。」

「………?」


「…貴女の中に眠っていた、龍神なのよ…」


……私…?
私の中の、龍神…?


「…この…貴女が古傷だと思わされていた物は、龍神の刻印。この身体に、龍神が宿る証…」

花梨さんは私の服をめくり上げ、左肩を表に晒した。


「……ぁ…」

ただの変色した、ぼんやりとした薄いアザだったはずが、
色濃く…、
存在を主張していた。


「…肩当てはね、その刻印を周囲から隠し、その龍神の力を押さえ込む役割だったの。でも…、抑えきれなかった…。こんの青二才が刺激しちゃったから余計にねっ!!」

キッ…っと、
花梨さんは朱理を睨んだ。
朱理は知らん顔。


「…私のせいですか…?たまたま偶然が重なっただけでしょう?酷いなぁ…」