記憶 ―流星の刻印―



「…あぁ、居ますよ?朱雀、出しましょうか?」

「――…止めなさいよ!!朱雀に反応して、せっかく落ち着いた龍神が出て来ちゃうでしょ!!しまっときなさいよ!!青二才!!」

「…はいはい」

やっぱり…
あれは、現実なの…。


「……虎白は?」

「嬢ちゃんの足元で、あぁ…また寝てるな…」

私の足元で、
白い身体を丸めて眠る虎白。

それを見て、
私は少しホッとした。


朱理と話していたあの時も、
虎白は途中までは眠っていたけれど…。

怖がりな虎白。
あれを目にしたら、怖がって…
もう私に寄り付かなくなるんじゃないか…と、心配になっていたの。


「虎白、怖がってなかった?」

「…まぁ、坊ちゃんはほとんど眠ってたからな…。流石に龍神が出た時は、ただ事じゃない気配に驚いて起きてたが…。大丈夫だろ、さっきまでは嬢ちゃんを心配して騒いでた…」

「…そう…。よく寝る子ね…」


私たちは、花梨さんのいる関所に戻っていた。
朱雀を連れた朱理までが…
何故ここに居るのか分からずに、私は首を傾げていた。


「……私…、渓谷の地に、虎白を届けなきゃいけないのに…」

私のせいで、
逆戻りさせてしまったのね?