記憶 ―流星の刻印―



「……青二才って…。相変わらず手厳しいな、花梨さん…」

朱理は花梨さんと顔馴染みの様子で、大分怯んだ声を出していた。

もぞっ…と、
私は身体を動かした。

まだ…
少し身体は熱っぽかった。


「…嬢ちゃん…起きたか。」

ぼうっと…
頭だけを動かして頷いた。


「――揚羽ちゃんっ!!」

私は起き上がって直ぐに、
花梨さんに強く抱き締められていた。


「――ごめんねっ!!ごめんなさいねっ!!びっくりしたわよねっ!!この鼻ったれが頼りになんないから、こんな事になって…」

「……私…」

私に起こった全てを…、
花梨さんに説明した後だった様で、彼女は私を抱き締めて何度も謝った。


「……私の身体、…何が起きたの…?何だったの…」

鮮明になってきた頭で色々と思い返すと、ハッとして…
私は、自分の背後を見た。


「……居ない…」

良かった…。
怖い夢を見ていただけで、それから覚めたかの様に…
現実味が無かった。


周囲を見回す。
目の前に花梨さんと太磨。
少し離れたテーブル越しに朱理。


「…朱雀も居ない…」

私はボソッと呟いた。

…夢?
夢であって欲しいと、
そう願った私に、朱理は現実を突き付ける。