……何…?
何を言っているのか。
私が、怯えている理由…?
「…おいっ。朱理、止めてくれ。本当に…嬢ちゃんは何も知らないんだ…」
その太磨の様子に、
花梨さんの時の事を思い出していた。
同じ…。
まだ、何かあるの…?
「…本当に、不憫ですね…。せっかく仲間に逢えたというのに、相手は何も知らないなんて…。私もまた、不憫だと思いませんか?太磨さん。」
そう溜め息を漏らす朱理。
――見える…
見えるわ…
私を見つめる、
反らせないその瞳に、
朱い鳥、
――朱雀が…。
「…もう…、いいから。言って…」
身体が、熱い…
左肩の…
普段は何ともない古傷が、
痛んでいる気がする…
「…まずは、お目にかけましょうか?太磨さんたちが幸運と信じて追った…、朱い空に消えた朱雀を…」
冷ややかな瞳を細めると、
首だけを動かし、
朱理は自分の右肩を見た。
「「――…っ!!」」
何て事もない、
その一瞬の間に…
彼の肩には、
朱い鳥『朱雀』が…
音もなく静かに止まっていた。
赤々とした…
炎を纏った綺麗な鳥だった。
威圧的な…
美しい、その風貌に…、
怯えて数歩下がるのは、
私だけだった。

