「…氷上の石碑。その内容を巡って、氷上の地の主が色々と動いている…。彼は目的の為に、今は『朱雀の血』朱雀の力を欲しているんですよ…」
「誘拐は、氷上の地の者の仕業なのか?じゃあ、どうして王子様は解放されたんだ?朱雀の血、その物だろ…」
「…途中で気付いたんでしょう。人違いだという事に…」
「――人違い?」
どうゆう事?
そう首を傾げる私たちに、朱理は説明を続けた。
「朱雀の血縁者とはいえ、全ての者にその力が継がれる訳ではないんですよ。」
「…じゃあ…あなたたちのお父様か誰か?」
私はそう聞いた。
でも、呆れた様に朱理は笑ったわ。
「…先代の王は、亡くなりました。揚羽さん、あなたは本当に何も知らないんですね…?」
むっ…と顔をしかめた私に、
朱理は言葉を付け加えた。
「…馬鹿にしている訳ではありませんよ?あまりに不憫だ…」
納得は出来ないし、
やっぱり馬鹿にされていると思うけどっ。
さっき朱理は言っていた。
『私は兄上の陰に隠れて、彼の家臣として…、それで良いんですよ。それが正しいんです。』
隠れている、
正しい…、
その言葉の意味合いは…
「…じゃあ、朱雀の力を継いでいるのは…」

