私は、
その里の中しか知らない、
世間知らずな、無知な娘。
でも、
その事は聞いて育った。
『この里の場所は、決して外部には漏らしてはいけない。』
『龍神を祀る大切な里だから』
ババ様の妖術で、外部からは護られているんだと、それを半信半疑で聞いていた。
村に居た時には『ババ様の妖術』すら、信じてはいなかった私だけど…、
そう朱理に言われて、
その表情を見て、
初めて…、
大層な事なのだと、分かった。
「……なぜ、そう思う?俺たちは関所で、石碑の話を小耳に挟んだだけだが…」
太磨は、しらを切った。
それを受けて、
朱理は凍り付いた瞳で、
ニヤッと不気味に笑ったわ。
「――…!!」
あの、瞳…
私が「怖い」瞳…
「……そろそろ…、お互いの手の内を、見せ合いませんか…?太磨さん。」
朱理はそう言うと、
私の方へ視線を移していた。
「……何の事を言っているのか、さっぱり分かんねぇんだが…?誘拐犯の目的の話は、どこへいったんだ…?」
「…どこへも、いってませんよ?…石碑、朱雀の血…、全て…その事に関わっていますから。」
――ゾクッ…
そう寒気がする。
私は再び身を縮めていた。

