記憶 ―流星の刻印―



「はは、最近ではよくある事なんですよ。街を通っている時にも、斬り捨てられた反逆者が居たでしょう?」

「…あれも、よくある事なの?…おかしいわよ?」

この人も第2王子だから、折角免れた死刑を言い出す危険性もある。
私は少し遠慮がちに、様子を窺いながらも恐る恐る口にした。

朱理は笑った。


「ははっ…。そう、おかしいんですよ。国を治める兄上があんな性格ですからね?問題ばかりで、荒れているんです。」

「……他人事みたいに言うのね?貴方も同じ立場でしょう?」

「――まさか。」

朱理の表情は笑っていたけれど、瞳は凍り付いていた。

それが恐ろしくて、
私はグッと身を引いたわ。


「私は兄上の陰に隠れて、彼の家臣として…、それで良いんですよ。それが正しいんです。」

「…国が荒れているのに?お兄さんの間違いを正そうとしないの?」

「――えぇ。」

やっぱり、
私はこの人、嫌いだわ。

それまで黙って聞いていた太磨が、呆れた様に呟いた。


「…国に関わるのが、面倒臭いってところか?」

「――えぇ、流石に太磨さんは鋭いですね?」

朱理はふふっと笑った。


「…ふぅん?馬鹿な兄貴を上手く転がしてる風に見えたが…」