晩御飯にカップ麺を食べたら、本当に何もなかった。

何もないと、より一層何か食べたくなる。

そんな気持ちで、ついつい買いに出た帰りだった。

公園に差し掛かると、声が聞こえてきた。

「―おい、早く出せよおっさん?」

「ん?」

人和は、声のする方を覗きこんだ。

4人の男にスーツ姿のおっさんが囲まれている。

「おい、さっさと財布だせよ~おっさん!」

「――おいおいおい、オヤジ狩りかよ~」

『まだ、こんなのあったのかぁ…』

人和は、ヤレヤレ…といった感じで、集団の方へ向って歩き出した。

「お~い、お前ら止めろ…」

人和は、おっさんを助けようと男達に話しかけた。