私からの15の言葉

家に帰ると
翼が立っていた。
翼は 私の男友達。
「どうしたの?」
「あんに言いたいこと、あって」
あんとは 私のニックネーム。
「なに?」
「……」
「……」

なんなの?この沈黙。

「俺さ」
沈黙を破ったのは つばさだった。
「あんが好きだ。俺と付き合ってください!」
「……」
ぽかーんしている私。
顔 まぬけだろう。
「あん?」
固まっている私。
「あん!」
「はい!」
「返事は?」
「今はいっぱいいっぱいだから明日にしてくれる?」
「わかった。じゃあな」
「うん。バイバイ」
そうして家に入った私はすぐに友達の依梨香に電話した。
「えりかぁ!」
『うわっ!声大きい!』
「あ、ごめーん!」
『どうしたの?』
「実はさ、さっきコクられた」
『誰に?』
「翼に…」
『マジで?!あの翼が?』
「…笑ってもいいよ」
『あははははははは!ちょーウケる!あはははは!』
「笑いすぎだよ!」
バイバイと言って電話を切った。