「アホ言ってんな」


「はーい…」


ふあ…とあくびをし、多少楽にはなったものの相変わらず気分の悪い胸を抑え、目を閉じた。


すると…背中にあったかい感触。


あ…かっくんの手だ。


そう思うと、むかむかしてたのがスッと楽になった。

かっくんてやっぱすごいねー…。


うふふふっと思わず口元をほころばせると、「…ヘンな顔すんな」と、なんだか照れたような声が聞こえた。


照れ屋さんなかっくんも久しぶり…❤


「ね…退院したらお買いもの行こうね?」


「ああ…」


「あ…パリの実家に住む? 日本にする? それとも父様がいつか言ってたカナダの土地に家建てる?」


「……規模がでかいな」


…そう?


「ま…それはそのときでいっか。それよりあたし早くお買いものに行きたいの」


「何買うの?」


「えー赤ちゃんのお洋服とか、お洋服とか、お洋服と…」


「実用品を買えΣ」


…それはそれ、これはこれっていうか。


「んー…お店行って決めよっか」


「…だな」


ふう…つかれた。


深く息を吐いて口を閉じると、いつの間にか、あたしは眠ってしまっていた。