ちょっとイラッとしながらも、そのまま足を前に動かした。
「用事があったんじゃねェのかい」
「バカ言え。あんな春真っ盛り…を通り越して夏が来てそうなところに行けるかよ」
「……まあな」
俺も疎外感をなんとなく感じたってのもあるんだが。
あの二人はどうも、一緒にいるだけでもう二人だけの空間を作ってしまうような気がする。
俺達は、その外から客観的に見ているだけだ。
どうにもこうにも…入っていけねェよな。
互いの心にあるのは互いだけだし……なんつーか。
「若ェよ」
「あんた同い年だろΣ」
「楓より一つ上だ。つまり真裕よりは…三つ上だな」
「ふーん…。……いや、それにしても同年代なことに変わりは…」
…俺はハタチで楓はギリ十代だからな。
なんとなくこう…年上な気がすんだよ。
「ところでお前さん、帰るとは言わねェんだな?」
「は?」
「いや…来るときはあんなに渋ってたのによォ、案外来ちまうとあっさりだな」
「ここまで来てあっさり帰る気も失せたんだよ」
「まあ…そりゃそうだ」
こうなっちまうと、人事に思えないというか…。
見届けたくなる? ……いや、なにを。
『あ、シュン! マヒロ無事辿り着いた?』
『ん? ああ。えらく嬉しそうにしてたぞ』
『ああよかった~…。浮かれてたから踊りだすんじゃないかと心配だったのよ』
…どんな心配だ。そしてそんな心配をされても不思議じゃないと思わせるあいつは一体なんなんだ。

