だってりんりんもでしょ?

しゅっちゃんはともかく…りんりんもでしょ?


「俺だけともかくって!」


「うん…あたしも嫌だけど仕方ないの。なんか偉い人がくれた休みが二週間でさ。帰らなきゃ卒業ヤバいのよね…」


「せやから理事長じゃゆうてるやろが」


「そうなんだ…そっか…それじゃ仕方ないよね…」


そういえば、あたし達の学校はどうなってるんだろ…。

あたしとかっくん今、ウィーンのセントリエールに留学中だったよねそういえば。


「でももう大丈夫よね。楓がいるし」


「えへへー、うん❤」


りんりんの一言に、あたしは頷きながらかっくんに抱きついた。


そうだよ…。

かっくんがいる。

それだけであたし、もうなにもいらない。

なんだって耐えられる。大丈夫!


「まったく…君らはいつ見てもお熱いことで」


「蓮くん……今ようやく三月に入ったの。分かる? まだあったかくすらないんだよ?」


「…まお、憐みの目を向けてやるな」


だってかっくん、聞きましたさっきの?

暑いって。蓮くん相当暑がりなのかな?

…の割にはめちゃめちゃ着込んでるよね。


「…ひょっとして馬鹿?」


「僕はどちらかというと寒がりだよΣ」


「あの蓮二が口負けしてない?」


「恐るべし真緒ちゃんの天然パワー…」