秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*


――洋平サイド――


『早く輸血を!!』


『なぜだ…!? なぜこんなに心拍が弱く…! 外傷は特に見られないのに…ひょっとしたら内臓が傷ついているかもしれない。エコーを持ってきてくれ!』


処置室から聞こえる緊迫した声に、私の心臓も止まりそうだった。

なによりも大事な娘……あの子だけは、何としても守りたい!

そう思っていた。


『…!? これは…!』


やがて中から驚愕の声が聞こえる。


『ご主人はいらっしゃいますか!?』


出てきた先生の言葉に一瞬首を傾げた。

なぜ主人なんだ?

こういうときは普通、親ではないだろうか…。


そう思いながらも、楓くんはいないのでどちらにせよ私が代わりに名乗り出た。


『主人は今おりませんので、私が…』


『お父様ですか。少し中に…』


焦った様子の先生にこちらも不安になりつつ、案内されるままに処置室へ。

そこに横たわる、血まみれであまりに痛々しい娘の姿に思わず目を背けたくなった。


『こちらをご覧ください』


そうして見せられたのは画面。

超音波画像か…?


『とても分かりにくいですが……間違いないでしょう』


『…と…言いますと?』




『娘さんは、ご懐妊なされています』