秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*


呆然という一言がぴったりなこの空気に、ただ一人父様だけはため息をついていた。


「まったく…なんでこんなこと言い忘れるんだか…。どうにもアホで仕方がないなこいつはっ」


「だってそれどころじゃなかったん…」


「嘘でしょ!? なんで!? そんなことあるはずないじゃない!」


『そうよ!! だって赤ちゃんて…“やること”やってなきゃ出来ないのよ!?』


『おまっ…真っ昼間から叫ぶようなことか!?』


かと思えば、途端みんなして騒ぎ出して…今度はあたしがきょとんとする番だった。


「楓くん、やっっっっと“そうなって”たのか?」


「うるせぇなお前コラΣ」


『ちょっと! ええ!? いつの間に!?』


いやだわぁみんなして…。

あんまり大きな声出さないでよね。


って言いたかったけど、ちょっとやそっとじゃ届きそうにないのであきらめた。


『だってそもそも…待って待って。そういうカンケイになってたのはいいとして! まだいいとして!』


「だからその言い方なんとかならねぇのか」


『カエデは二ヶ月もいなかったのよ? なんでそんなこと起こるわけが…』


「…あたしに聞かれましても」


「あんた以外誰に聞けと!?Σ」


「……かっくんこあい~!」


『ちょっと…。これほんとに母親になるの…?」


まあ失礼ね!

あたし、もうお母さんだよ。お腹にもういるんだから…。


「おほん。それは私が説明しよう」