「まおどうしたの!?」
『だ、大丈夫マヒロっ…』
頭痛い…! なにこれ…!?
あれ……誰…!?
―『いやだかっくん! 死なないで!』
「やだかっくん!!」
「おい!」
「!」
「…俺はここにいる」
「…っ…はあ…っ…はあ…」
か…っくん…。
「まさか…」
取り乱すあたしを、不自由な体でなんとか抱き寄せてくれたかっくんのおかげで、ふっと肩の力が抜けた。
そして呟いたかっくん。
ちらりと父様を見た。
「…真裕、楓くんと二人で話がしたい」
「いや!」
「三分でいいから…」
「いやだぁ!」
離れたくないよ…。
もし今この手を放して、いなくなっちゃったらどうするの?
もういや。
二度と放さないって、あのとき決めたの。
……え…?
あの…とき…?

